学資保険は基本『解約』が正解|共働きパパがインフレ時代に選ぶ教育費の作り方
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📅 最終更新日:2026年5月23日
「学資保険、このまま続けるべき?それとも解約して新NISAに移すべき?」——子育て家計の見直しで多くの家庭が悩むテーマです。低金利時代に契約した学資保険は返戻率が思ったほど伸びず、新NISA解禁で「自分で運用したほうが増えるのでは」と感じる人が急増しています。
結論からお伝えすると、我が家の考えは「学資保険は基本的に解約するのが合理的」です。理由は、学資保険の返戻率(0.5〜1%程度)ではインフレ率(物価が上昇する割合・近年1.5〜2.5%で推移)に追いつきにくいため。元本割れしても、これからの十数年をインデックスファンド(指数に連動する低コストの投資信託)で運用したほうがゴールの教育費は大きくなりやすい、という判断です(過去実績ベース・将来を保証するものではありません)。
我が家は学資保険には加入していません(最初から児童手当を新NISAに回す方針)。本記事は「もし加入していたら、なぜ即解約を選ぶか」をパパ目線で整理したものです。ただし最終判断は個人の家計状況・契約内容次第のため、満期まで5年未満の方は継続も選択肢になります(後述)。
先に結論|学資保険は基本『解約』が正解
学資保険の返戻率(年0.5〜1%相当)は、近年のインフレ率(1.5〜2.5%程度)に追いつきにくいのが現実です。元本割れは「過去の損失」と割り切り、残りの十数年をインデックスファンドで運用するほうが、ゴールの教育費は大きくなりやすいというのが我が家の判断です(過去実績ベースの試算で将来を保証するものではありません)。
※例外:満期まで5年未満、または1990〜2000年代前半の「お宝学資保険」(予定利率3〜5%台)は継続も選択肢。詳細は後述します。
本記事は「過去の損失」より「未来の運用効率」を優先する立場で書いています。慌てて全解約は厳禁ですが、感情的に「もったいない」と継続するほうが結果的に教育費を減らす可能性も。冷静に数字で比較することが大切です。
そもそも「これから加入を検討中」の方は、加入する前に学資保険と新NISAを比較した次の記事をご覧ください。

学資保険を解約推奨する4つの根拠

「解約は損」というのは契約初期の元本割れだけを見た議論です。18年というゴールから逆算すると、解約のほうが合理的になる根拠が4つあります。順に見ていきましょう。
根拠①|学資保険の返戻率ではインフレ率を補えない
2010年代以降に契約した学資保険の返戻率は、満期まで持っても105〜110%程度(年率換算0.5〜1%相当)が標準です。一方、日銀の物価安定目標は2%、総務省の消費者物価指数(生鮮食品除く)も近年1.5〜2.5%程度で推移しており、学資保険の利回りでは物価上昇に追いつきにくい状況です。
さらに教育費自体も長期的に上昇傾向にあります。文部科学省の学校基本調査によれば、国立大学の授業料は1975年(年3.6万円)から2020年(年53.5万円)で約15倍、私立大学も同期間で大きく上昇しています。学資保険の「元本保証」は実質的には「インフレで目減りする保証」に近いというのが現実です。
| 項目 | 年率 | 18年後のお金の価値・運用結果 |
|---|---|---|
| 学資保険の返戻率 | 約0.5〜1% | 100万円→約110万円 |
| 近年の物価上昇率 | 約1.5〜2.5% | 100万円の価値→約65〜75万円相当 |
| 全世界株式の過去長期実績(参考) | 約4〜7%(将来保証なし) | 100万円→約200〜340万円 |
根拠②|元本割れしても乗り換えのほうが有利な可能性が高い
多くの方が解約をためらう理由は「元本割れがもったいない」という感情です。しかしこれは行動経済学でいう「サンクコスト(取り戻せない過去のコスト)」にとらわれている状態。解約損は既に発生済みで、継続しても取り戻せません。
判断軸として重要なのは「これからの十数年でどちらが教育費を最大化できるか」です。仮に5年経過時点(返戻率80%)で解約する場合の試算は以下のとおりです(あくまで過去実績ベースの試算で将来を保証するものではありません)。
| 条件 | ケースA:継続 | ケースB:解約→新NISAへ |
|---|---|---|
| 5年経過時点の状況 | 払込90万円・返戻率80%(72万円相当) | 解約返戻金72万円を全世界株式へ |
| 残り13年の追加投入 | 月1.5万円×13年=234万円(同額継続) | 同額(234万円)を新NISAで積立 |
| 18年後の受取目安 | 満期金 約340万円(返戻率105%想定) | 72万円+積立234万円が年4%運用で約460万円 (年6%なら約540万円) |
| 差額(あくまで試算) | — | 約120万〜200万円有利になる可能性 |
※全世界株式の過去長期実績(年4〜7%)に基づく試算です。市場環境次第で元本割れリスクもあります。
根拠③|生命保険料控除の節税効果は限定的
学資保険は「一般生命保険料控除」の対象で、所得税最大4万円・住民税最大2.8万円の所得控除が受けられます(新契約・2012年以降)。ただし年間の節税額に換算すると、所得税率20%の世帯で年1〜2万円程度が上限です。
| 項目 | 控除額 | 節税額(所得税率20%) |
|---|---|---|
| 所得税(新契約上限) | 4万円 | 約8,000円/年 |
| 住民税(新契約上限) | 2.8万円 | 約2,800円/年 |
| 合計(目安) | — | 年1〜2万円程度 |
仮に年1万円の節税が18年続いても累計18万円です。インデックスファンドの運用差額(数十万〜数百万円)と比べると、節税メリットは小さいと言わざるを得ません。さらに、すでに他の生命保険で控除枠を使い切っているなら、学資保険分の節税メリットはゼロです。
根拠④|保険の本来用途は「確率小・損失大」への備え
保険は本来「家計が破綻するレベルの大損失(確率は低いが起きると致命的な事象)」に備える仕組みです。火災・死亡・重度障害などが典型。学資保険は保険ではなく実態は貯蓄商品で、保険本来の機能から外れています。
払済保険(これ以上保険料を払わずに、その時点の返戻金で残期間を継続する仕組み)は「保険を残せる」のがメリットとされますが、結局は低利回りで運用を継続するだけ。我が家の判断では、払済にして年0.5%で寝かせるくらいなら、解約して新NISAで運用効率を最大化するほうが合理的です。
※親の死亡保障が必要なら、安価な収入保障保険など「保険本来の商品」で別途確保するのが本筋です。

解約による元本割れは「過去の損失」|重要なのは未来の運用効率
解約をためらう最大の心理的ハードルは「元本割れがもったいない」という感情です。しかし数字で見ると、過去の損失より未来の運用効率に集中するほうが、教育費のゴールに到達しやすいのがわかります。
18年シミュレーション|学資継続 vs 解約してNISAへ
| 経過年数で解約 | 返戻率(典型) | 学資継続:満期金(返戻率105%想定) | 解約→新NISA(年4%運用想定) |
|---|---|---|---|
| 3年(残15年) | 60% | 約284万円 | 約430〜510万円 |
| 5年(残13年) | 80% | 約284万円 | 約460〜540万円 |
| 10年(残8年) | 90% | 約284万円 | 約380〜420万円 |
| 13年(残5年) | 95% | 約284万円 | 約330〜350万円 |
| 15年(残3年) | 100% | 約284万円 | 約300〜310万円(リスクあり) |
※月1.5万円×18年・全世界株式の過去長期実績(年4〜7%)に基づく試算。将来を保証するものではありません。市場環境次第で元本割れリスクがあり、特に残り年数が短いほどリスクが顕在化しやすくなります。
表から読み取れるのは、残り年数が長いほど解約のメリットが大きいという構造です。逆に残り5年未満になると、株式の短期下落リスクで「解約しても増えない・むしろ減る」可能性が高まります。
満期までの残年数別・推奨アクション早見表
| 満期までの残年数 | 我が家の推奨アクション | 理由 |
|---|---|---|
| 10年以上 | 即解約→新NISAへ | 長期運用でインフレに対抗・サンクコストに固執しない |
| 5〜10年 | 解約推奨 | 運用期間がまだあり、インフレ負け回避効果が大きい |
| 5年未満 | 継続を慎重に検討 | 株式の短期下落リスクが教育費の必要時期と重なる懸念 |
| 2000年以前契約(お宝) | 満期まで継続 | 予定利率3〜5%は今では再現不可能 |
例外|満期まで5年未満なら継続も選択肢
株式市場は長期的には右肩上がりの傾向ですが、数年単位では大きく下落することもあります。リーマンショック級の暴落だと回復に5〜7年かかった実績があり、大学入学などの「使う時期」と暴落が重なると教育費が足りなくなるリスクがあります。
継続を選ぶ判断軸3つ
満期まで5年未満で「継続も合理的」と判断できるのは、次の3条件すべてに当てはまる場合です。
- 契約している学資保険の年利が0.5%以上(返戻率105%以上の見込み)
- 元本割れがほぼ解消している(返戻率95%以上)
- 教育費の必要時期まで5年未満
代替案|個人向け国債(変動10年)への乗り換え
「解約するけど株式は不安」という方には個人向け国債(国が発行する元本保証の債券)という選択肢もあります。変動10年型は半年ごとに金利が見直されるため、市場金利の上昇に多少追従できるのがメリット。2026年5月募集分の適用利率は年1.67%(税引前)で、学資保険の年0.5〜1%を上回ります。発行から1年経てば中途換金が可能(直前2回分の利子相当額が差し引かれます)。
| 商品 | 元本保証 | 金利 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 学資保険(継続) | ○(満期時) | 固定 約0.5% | インフレに弱い・解約しづらい |
| 個人向け国債(変動10年) | ○ | 変動(2026年5月:年1.67%) | 金利上昇に追従・1年経てば中途換金可 |
| 定期預金(ネット銀行) | ○(1,000万円まで) | 固定 約0.2〜0.3% | 短期向け・金利低い |
解約後の資金の使い道|新NISA最優先
解約で手元に戻ってきたお金、何に回すのが家計にとって正解でしょうか。基本は新NISAでの長期運用が最優先。子供の年齢で配分を調整します。
新NISAの年間投資枠はつみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円=合計360万円が上限。価格変動リスクを抑えるなら「12〜24ヶ月に分けて積み立てる」のが無難です。残額は特定口座か定期預金で保管し、翌年以降に再投入する流れになります。
子供の年齢別・配分例
| 子供の年齢 | 新NISA | 繰上返済 | 定期預金/国債 |
|---|---|---|---|
| 0〜小学校低学年 | 70% | 20% | 10% |
| 小学校高学年〜中学 | 40% | 30% | 30% |
| 高校生以上 | 10% | 20% | 70% |
住宅ローン金利が1%超なら繰上返済も有力ですが、住宅ローン控除(最大13年・残高の0.7%)が効いている期間中は控除が減るデメリットも考慮してください。
新NISAでの長期運用を始めるなら、楽天証券・SBI証券が定番です。楽天証券は楽天カード積立で最大1%還元、SBI証券は三井住友カード積立で最大0.5%還元と、どちらも積立投資との相性が抜群。我が家はSBI証券で新NISA口座を開設して全世界株式(オール・カントリー)を積み立てています。手数料の安さと商品ラインナップの豊富さが決め手でした。


我が家が「もし加入していたら」即解約を選ぶ理由
冒頭でお伝えした通り、我が家は学資保険には加入していません。理由は児童手当を新NISAに全額回す方針を最初から選んだからです。もし加入していたら、満期まで10年以上残っている時点で迷わず解約を選びます。理由を3つ整理します。
理由①|「過去の損失」より「未来の運用効率」を優先したい
仮に5年経過時点で20万円の元本割れがあっても、それは既に発生した損失です。継続しても取り戻せません。それより「これからの13年で教育費を最大化する」ことに集中したいというのがパパ目線の発想です。
理由②|インフレに対抗できる資産で持ちたい
教育費は18年かけて支払う「将来の負債」です。学資保険(固定利回り0.5%)で対応するより、インフレに連動しやすい全世界株式で持つほうが、大学授業料の値上がりにも対応しやすいと判断します。
理由③|保険と貯蓄を切り分けたい
親の死亡保障は安価な収入保障保険で別途確保し、教育費は新NISAで運用する——この「保険と貯蓄の分離」が我が家の方針です。学資保険のように2つを混ぜると、コストが上がり運用効率も下がる、というのが結論でした。
- 残り10年以上 → 即解約して新NISAへ
- 残り5〜10年 → 解約推奨(運用期間で十分インフレ対抗可)
- 残り5年未満+返戻率95%以上 → 継続も合理的
- 「お宝学資保険」(2000年以前契約) → 満期まで継続
まとめ|行動はシンプル|契約年数を確認→解約検討
- 学資保険の返戻率(0.5〜1%)ではインフレ率(2〜3%)に追いつけない
- 元本割れは「過去の損失」と割り切り、未来の運用効率を優先
- 満期まで10年以上残っているなら、解約して新NISAへ乗り換えるのが合理的
- 例外:満期まで5年未満+返戻率95%以上なら継続も選択肢
- 払済保険は「低利回りでの運用継続」になるため、我が家は選ばない
今日から動くなら、まず保険会社のマイページで「現時点の解約返戻金」と「満期日」を確認するだけ。数字が見えれば、感情ではなく合理的な判断ができます。最終判断はご自身の家計状況・契約内容次第ですが、「もったいない」だけで継続するのが一番もったいない、というのが本記事のメッセージです。
解約後の資金を新NISAで運用するなら、楽天証券・SBI証券のどちらかで口座開設するのが定番です。楽天経済圏を使うなら楽天証券、商品ラインナップ重視ならSBI証券(我が家もSBI証券を選びました)が選択肢になります。
よくある質問
- 加入5年で解約すると元本割れだけど、それでも解約すべき?
-
満期まで残り10年以上あるなら、解約推奨というのが我が家の判断です。元本割れ20〜30万円は「過去の損失」で取り戻せませんが、残り13年を年4%相当で運用できれば差額(120万〜200万円相当)で十分カバーできる可能性があります。あくまで過去実績ベースの試算で、市場環境次第で元本割れリスクもあります。最終判断はご自身の家計状況で。
- 払済保険にすれば解約より得じゃない?
-
払済は「これ以上保険料を払わずに残期間を継続」できる仕組みですが、結局は低利回り(年0.5%程度)で運用を継続するだけ。我が家の判断では、解約して新NISAで運用効率を最大化するほうが合理的です。親の死亡保障が必要なら、安価な収入保障保険など「保険本来の商品」で別途確保するのが本筋です。
- 生命保険料控除がなくなるのは痛くない?
-
所得税率20%の世帯で年1〜2万円程度の節税効果が消えます。18年累計でも18〜36万円程度。インデックスファンドの運用差額(数十万〜数百万円)と比べると小さい金額です。さらに他の生命保険で控除枠を使い切っているなら、もともと節税メリットはゼロです。
- 解約返戻金を一括で新NISAに入れていい?
-
新NISAの年間投資枠は360万円(つみたて120万+成長240万)が上限のため、一括投入できる金額には制限があります。また価格変動リスクを抑えるなら12〜24ヶ月に分散積立がおすすめ。残った資金は特定口座か定期預金で保管し、翌年以降に再度NISA枠で投入する流れが現実的です。
- 満期まであと3年だけど、それでも解約?
-
残り3年なら継続を慎重に検討してください。株式の短期下落リスク(リーマンショック級なら回復に5〜7年)が教育費の必要時期と重なる懸念があります。返戻率95%以上なら継続のほうが安全。「解約はしたいが株式は不安」という場合は、個人向け国債(変動10年)への乗り換えも検討できます。
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参考資料
- 国税庁 No.1140 生命保険料控除(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1140.htm)
- 国税庁 No.1755 生命保険契約に係る満期返戻金等を受け取ったとき(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1755.htm)
- 日本銀行「物価安定の目標」(https://www.boj.or.jp/mopo/outline/expdis.htm)
- 総務省統計局「消費者物価指数(CPI)」(https://www.stat.go.jp/data/cpi/index.html)
- 文部科学省「学校基本調査」(https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/1267995.htm)
- 財務省「個人向け国債」(https://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/)
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