こどもNISAで教育費は足りる?2027年開始の新制度と我が家の活用法
2025年12月に決定した令和8年度税制改正大綱で、子ども向けの新しい非課税投資制度「こどもNISA」(俗に「こども支援NISA」「こども特例NISA」「未成年NISA」とも呼ばれます)の創設が明記されました。2027年1月開始予定で、年60万円・総額600万円までの投資が非課税になる制度です。
「教育費は学資保険で備える時代」から「教育費もNISAで増やす時代」へ。我が家は子どもの教育費を新NISA(親名義)で準備していますが、2027年からはこどもNISAも組み合わせる予定です。本記事では制度の中身と、我が家の活用プランを共有します。
先に結論|こどもNISAは教育費準備の「主役交代」候補
こどもNISAは「教育費を非課税で長期運用したい家庭」にとって最有力の選択肢になります。我が家は2027年の制度開始に合わせて、児童手当の振り先を親NISA→こどもNISA(子名義)に切り替える方針です。
ただし制度の細部は2026年中に確定するため、現時点では「2027年開始に備えて準備しておく」フェーズです。
教育費準備の全体戦略は別記事でまとめています。新NISA・学資保険・児童手当をどう組み合わせるか迷っている方は、まずはこちらの記事をご覧ください。

結論を急ぐと「こどもNISAは“追加の非課税枠”として確実に使う、ただし新NISAとの役割分担をはっきりさせる」のが正解です。理由を順に解説します。
本記事では「2027年に向けて、今の共働き子育て家庭は何を準備すればいいか」を、制度の正確な情報と我が家の判断をセットで紹介します。新NISA・児童手当・学資保険との関係も整理するので、教育費準備の全体像を一気に把握できる構成です。
こどもNISAとは?2027年開始の新制度をわかりやすく
こどもNISAは、0〜17歳の子どもを対象にした非課税の積立投資制度です。年60万円・総額600万円まで投資でき、運用益・配当はすべて非課税になります。
| 項目 | こどもNISA(2027年開始予定) |
|---|---|
| 正式名称 | こどもNISA(仮称含む。俗称:こども支援NISA/こども特例NISA/未成年NISA) |
| 開始時期 | 2027年1月予定 |
| 対象年齢 | 0〜17歳(未成年) |
| 口座名義 | 子ども本人 |
| 年間投資枠 | 60万円 |
| 非課税保有限度額 | 600万円 |
| 非課税期間 | 無期限 |
| 対象商品 | つみたて投資枠と同じ長期・積立・分散向け投資信託・ETF(インデックスファンド〈株価指数に連動する投資信託〉中心。個別株は対象外) |
| 引き出し制限 | 12歳まで原則引き出し不可(教育・進学・生活費目的+子の同意で例外引き出し可) |
| 18歳以降 | 成人後のNISA(つみたて投資枠)へ自動移管 |
ポイントは 「子ども名義で・非課税期間が無期限・成人後はそのまま新NISAへ移行」 という3点です。教育費に使い切らずに残せば、子どもが社会人になった後の資産形成にもそのまま使えます。
2016〜2023年に存在したジュニアNISAは18歳まで引き出し不可・非課税期間5年と使い勝手が悪く、2023年で新規受付終了。今回のこどもNISAは「12歳から条件付きで引き出し可・非課税無期限」と大幅に改善されています。
以上は2025年12月大綱の内容で、対象商品の細目や口座開設の手続きは今後の政省令で変更される可能性があります。
ジュニアNISA・新NISA・児童手当NISAとの違い

「非課税で子どもの教育費を準備する」選択肢は複数あります。違いを整理します。「児童手当NISA」は正式制度名ではなく、児童手当を新NISA枠で運用する手法の通称です。
| 制度 | 名義 | 年間枠 | 使いやすさ |
|---|---|---|---|
| こどもNISA(2027〜) | 子 | 60万円 | ○ 12歳から条件付き引き出し可 |
| 新NISA(つみたて+成長) | 親 | 360万円 | ◎ いつでも引き出し可 |
| 児童手当NISA(呼び名・通称) | 親(多くは新NISA活用) | 新NISA枠内 | ◎ 児童手当を親NISAで運用する方法 |
| ジュニアNISA(2023終了) | 子 | 80万円 | × 新規不可 |
我が家は現在、児童手当を全額親NISA(つみたて投資枠)で運用しています。こどもNISA開始後は児童手当の振り先を「親→子」に切り替える検討を始めています。具体的な運用ルールは下記の関連記事で詳しく解説しています。

また、学資保険を検討中の方は「こどもNISA+新NISA」で代替できるかをまず比較してください。我が家は学資保険を選ばず、最初からNISAで準備しています。

整理すると、教育費準備の選択肢は「親NISA・こどもNISA・学資保険」の3択です。我が家の優先順位は①新NISA(親)→②こどもNISA(2027〜)→③学資保険(基本不要)の順。学資保険は「貯蓄性が低い・途中解約で元本割れ・インフレに弱い」の3点で、NISAの代わりにはなりません。
注意したいのは、こどもNISAができたからといって既存の新NISAを止める必要はないということ。親NISAは老後資金・こどもNISAは教育費と用途を切り分けて、両方を並行で動かすのが基本です。
## 12歳引き出し可は本当に使いやすい?注意点を整理
こどもNISAの目玉のひとつが「12歳から引き出し可」というルールです。ジュニアNISAでは18歳まで完全ロックだったため、大幅な改善です。ただし「自由に引き出せる」わけではない点に注意が必要です。
我が家は子どもがまだ小学生なので、12歳までの6年程度は「引き出さず積み立てる」前提で計画を立てます。大学費用が必要になる18歳までは原則ロックするつもりで運用すれば、長期投資のメリット(複利効果)を最大化できます。
逆に「中学受験で私立に行かせる可能性が高い」「12歳前後にまとまった教育費が必要」というご家庭は、12歳引き出しを織り込んで毎月の積立額を決めるとよいでしょう。中学・高校でいったん取り崩しても、残りを大学費用に向けて再積立できる柔軟さもこどもNISAの強みです。
教育費はいくら貯まる?18年積立シミュレーション
0歳から18歳まで毎月一定額をこどもNISAに積み立てた場合の試算です。年利は年3%(控えめ)と年5%(全世界株式の長期平均に近い)の2パターンで提示します。
| 月額 | 18年元本 | 年3%運用後 | 年5%運用後 |
|---|---|---|---|
| 月1万円 | 216万円 | 約286万円 | 約349万円 |
| 月3万円 | 648万円 | 約858万円 | 約1,048万円 |
| 月5万円(こどもNISA上限) | 1,080万円 | 約1,430万円 | 約1,747万円 |
こどもNISAの上限は年60万円(月5万円)なので、フル活用すれば年5%運用で約1,700万円に到達します。国公立大学4年間の費用約540万円・私立文系約730万円(自宅通学)と比べると、こどもNISAだけで十分まかなえる水準です。
現実的には「月3万円」程度から始める家庭が多いと思います。我が家もまずは月3万円スタートを検討中です。児童手当(0〜3歳1.5万・3歳〜中学生1万)をそのまま回せば追加負担ほぼゼロで月1〜1.5万からスタートできます。
大切なのは「最初から満額を狙わない」こと。月1万円でも18年続ければ年5%で約350万円に届きます。続けられる金額で始めて、ボーナス時や昇給時に増額するのが続くコツです。
我が家ならこう使う|SBI証券で開設・全世界株式で積立予定
我が家の現状と2027年に向けた準備プランを共有します。
- 学資保険:加入なし(最初から選ばなかった)
- 児童手当:全額を新NISA(親名義)で運用中
- 口座:SBI証券(夫婦それぞれで新NISA開設済み)
- 銘柄:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)中心
2027年開始までにやる3つの準備
- 子ども名義の証券口座を開設(こどもNISAは子ども本人名義のため、未成年口座が必要)
- 毎月のキャッシュフロー再点検(児童手当の振り先切り替えで月いくら回せるか)
- 銘柄選びの方針確認(つみたて投資枠と同じ商品が中心になる見込み)
我が家は新NISAをSBI証券で運用しており、子ども名義の未成年口座も同じくSBI証券で開設予定です。親と同じ証券会社にまとめると管理が圧倒的にラクになります。楽天経済圏の方は楽天証券、それ以外はSBI証券が無難な選択です。

制度開始までまだ時間があります。今から焦って動く必要はありませんが、新NISAの口座をまだ持っていない方は2026年中の準備をおすすめします。
まとめ|こどもNISA開始までにやっておくこと
こどもNISAは2027年1月開始予定の新しい非課税制度です。年60万円・総額600万円・非課税無期限と使い勝手が大幅改善され、教育費準備の有力な選択肢になります。
- こどもNISA=0〜17歳対象・年60万・総額600万・非課税無期限の新制度
- 12歳から引き出し可、ただし教育・進学・生活費目的+子の同意が条件
- 月3万円×18年・年5%運用で約1,048万円(試算・元本保証なし)
- 我が家は児童手当の振り先を親NISA→こどもNISAへ切り替える方針
- 制度詳細は2026年中の政省令で確定。今は新NISAの基盤整備が最優先
2027年の開始に備えて、まずは親自身の新NISA口座を整えるところから。口座をまだ持っていない方は、楽天証券・SBI証券のどちらかで開設を進めておくと、2027年の制度開始時にスムーズに動けます。
よくある質問
- Q1. こどもNISAと現行の新NISA、どっちを優先すべき?
-
A. 親自身の老後資金がまだ十分でないなら新NISA(親名義)が優先です。こどもNISAは「子の教育費を明確に切り分けたい家庭」「新NISA枠を満額活用中で追加の非課税枠が欲しい家庭」に向きます。我が家は新NISAを基盤にしつつ、こどもNISAも併用予定です。
- Q2. 12歳まで引き出せないのは不便じゃない?
-
A. むしろ「うっかり使わない」仕組みとして有効です。教育費はまとまった金額が必要で、途中で取り崩すと18歳時点で足りなくなるリスクがあります。12歳ロックは長期投資の規律として機能します。緊急時の資金は別途、生活防衛資金(生活費6か月分)として現金で確保しておきましょう。
- Q3. こどもNISAへの入金で贈与税はかからない?
-
A. 親から子への資金移動は年110万円までの基礎控除内であれば贈与税はかかりません。こどもNISAの年間枠は60万円なので、上限まで入金しても贈与税の心配は基本的に不要です。ただし他の贈与(お祝い等)と合算して110万円を超える場合は注意が必要です。最終的な税務判断は税理士または最寄りの税務署にご相談ください。
- Q4. 我が家の子はまだ小学生だが、今からどう動けばいい?
-
A. 2027年開始まで時間があるので、まずは親自身の新NISAをしっかり運用することに集中してください。並行して、開始後にスムーズに移行できるよう「児童手当の積立額」「現在の親NISA運用額」を把握しておくと、2027年に振り替え判断がしやすくなります。
- Q5. 2027年開始までにやっておくべきことは?
-
A. ①親の新NISA口座開設(未開設なら最優先)②家計のキャッシュフロー見直し(こどもNISAに月いくら回せるか)③子ども名義の証券口座開設(未成年口座は新NISAと同じ証券会社が便利)④長期・分散・積立の投資方針を固める、の4点です。制度詳細の確定(2026年中の政省令)を待ってから具体的な銘柄選定に入ればOKです。
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こどもNISAをきっかけに投資デビューする方は、まずインデックス投資の基本を押さえておきましょう。

本記事の参考資料
本記事は2025年12月の税制改正大綱に基づきます。最新情報は金融庁・財務省の公式発表をご確認ください。
- 金融庁「令和8年度税制改正について」https://www.fsa.go.jp/news/r7/sonota/20251226-2/01.pdf
- NRI「こどもNISA創設の意義と課題」https://www.nri.com/jp/media/column/kiuchi/20251215_2.html
- 日本経済新聞「こどもNISA 27年創設へ」https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA099TO0Z01C25A2000000/
- 日本経済新聞「税制改正大綱まとまる」(2025年12月)
- 金融庁「NISA特設ウェブサイト」https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/
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