ふるさと納税と医療費控除の併用|上限が下がる目安とワンストップ
出産の年や、子どもの通院が続いた年は、医療費控除が気になります。
同じ年にふるさと納税もすると、上限やワンストップ特例はどうなるのか。
我が家も出産の年などに医療費控除を使い、ふるさと納税は毎年確定申告にしています。
- 医療費控除を使うと、ふるさと納税の上限は少し下がる
- 目安は、医療費控除10万円あたり約2,400〜2,500円(所得税の税率5〜10%の人)
- 出産の年は出産育児一時金を差し引くので、控除が小さくなることも多い
- 確定申告をするとワンストップ特例は無効なので、寄附分も確定申告に書く
先に、医療費控除を入れた上限を確かめると安心です(入れ方は下で説明)。
計算は、さとふるのシミュレーターでできます。
我が家の前提
- 子ども2人(3歳・1歳)・住宅ローンあり・車あり
- 妻は2人目の出産を機に退職し、今は片働き(それまでは共働き・いずれ戻るかも)
- 投資歴約8年
- ふるさと納税は今は私(夫)の名義だけで、手続きは毎年確定申告
医療費控除で上限はどれくらい下がる?|10万円で約2,400〜2,900円(税率しだい)
医療費控除を使う年は、上限が少しだけ下がります。
下がる額は、医療費控除の額の数%ほどです。
医療費控除の額は「医療費−戻ったお金−10万円」
- (払った医療費−保険金などで戻ったお金)−10万円
- 所得(年収から経費などを引いた額)が200万円未満なら、10万円ではなく所得の5%を引く
上限が下がる仕組みと目安
上限は、主に住民税の所得割(所得で決まる部分)の2割で決まります。
- 医療費控除で、所得税・住民税がかかる所得が減る
- 住民税の所得割が減る(医療費控除の額の10%ほど)
- 「所得割の2割」が小さくなり、上限も下がる
医療費控除を使うと損をする、という話ではありません。
医療費控除そのもので、税金は減っています。
所得税の税率は、課税所得で決まります(国税庁 No.2260)。
- 課税所得195万円未満:5%
- 195万〜330万円未満:10%
- 330万〜695万円未満:20%
| 医療費控除の額 | 所得税の税率5%の人 | 税率10%の人 | 税率20%の人 |
|---|---|---|---|
| 5万円 | 約1,200円 | 約1,300円 | 約1,400円 |
| 10万円 | 約2,400円 | 約2,500円 | 約2,900円 |
| 20万円 | 約4,700円 | 約5,000円 | 約5,700円 |
| 30万円 | 約7,100円 | 約7,500円 | 約8,600円 |
※総務省の計算式から出した目安です。
※医療費控除を引いても、税率が変わらない人の数字です。
※ほかの控除の影響は入れていません。
上限を超えた分は、自己負担になります。
上限ぴったりまで寄附する人ほど影響が出やすいので、少し余裕を残します。
シミュレーターは詳細版で医療費控除を入れる
簡易版では医療費控除が入らないことが多いので、詳細版を使います。
- 入力欄が「払った医療費」か「控除の額」かを確かめる(医療費の欄は戻った分を引いた額、控除の額の欄はさらに10万円を引いた額)
- 12月までにかかりそうな医療費も足して考える
- 住宅ローン控除・iDeCoなど、ほかの控除も一緒に入れる
結局、我が家ならどう判断するか
- 下がるのは数千円ほどなので、医療費控除を使うかは上限の都合で迷わない
- 寄附は、上限の目安ぴったりを狙わず余裕を残す
- 端数は、数千円台の返礼品で調整する
出産の年・子どもの通院が多い年はどう考える?
出産の年は、出産育児一時金を差し引く
出産費用は、医療費控除の対象です。
ただし、出産育児一時金は医療費から差し引きます(国税庁 No.1124)。
一時金は、1人の出産につき50万円です。
産科医療補償制度に入っていない医療機関などでの出産は、48.8万円です。
差し引くのは、その出産にかかった費用の範囲までです。
健康保険の高額療養費や、医療保険の入院給付金を受け取ったら、それも差し引きます。
くわしい対象は、国税庁 No.1124で確かめられます。
たとえば、次のような年だったとします。
| 項目(計算例) | 金額 |
|---|---|
| 出産費用52万円−出産育児一時金50万円 | 2万円 |
| 妊婦健診の自己負担分と通院費 | 3万円 |
| 家族の通院・薬・歯の治療 | 8万円 |
| 医療費の合計 | 13万円 |
| 医療費控除(13万円−10万円) | 3万円 |
この例だと、上限が下がるのは約700〜900円です(税率5〜20%)。
なお、一時金は法改正で、今後(公布から2年以内)別の給付に変わる予定です。
産休・育休で収入が減る年の上限は、こちらでまとめています。

子どもの通院が多い年は、家族の医療費を合計する
医療費控除は、生計が同じ家族の医療費をまとめて計算できます。
- 子どもの医療費助成がある地域:子どもの分だけでは10万円を超えにくい
- 申告する人:医療費を実際に払った人がまとめて申告する(収入の多いほうに自由には寄せられない)
上限を出したら、寄附先を選べます。
医療費控除の年はワンストップ特例が使えない|寄附分も確定申告に書く
医療費控除は、確定申告をしないと受けられません。
そのため、その年のワンストップ特例の申請は無効になります。
申請書を出した分も含めて、すべての寄附を確定申告に書きます(国税庁 No.1155)。
確定申告で寄附分も書く手順
- 寄附の受領証明書(またはサイトの証明書)を、その年の分すべて集める
- 領収書から医療費控除の明細書を作る(領収書は提出せず、5年間自宅で保管)
- 確定申告書に、医療費控除と寄附金控除の両方を入れる
- 翌年、住民税決定通知書で寄附金の控除を確かめる
確定申告では、控除は所得税の還付と、翌年の住民税の減額に分かれて戻ります。
我が家は医療費控除を使った年もあり、今は毎年確定申告
始めた1年目は、ワンストップ特例を使いました。
その後、毎年確定申告に切り替えました。
理由は2つです。
- 医療費控除を使う年は、ワンストップ特例が無効になる
- 住宅ローン控除の1年目など、確定申告が必要な控除もあった
実際に、出産の年などに医療費控除を使ったこともあります。
その年は、ふるさと納税の寄附額も少し下げました。
今の我が家のやり方
- 寄附額は、シミュレーターで出した上限の目安の少し手前まで
- 返礼品は基本がお米の定期便で、端数は数千円台の返礼品で調整
- 手続きは毎年確定申告で、翌年に住民税決定通知書で確かめる
これまで、上限を超えたことも、超えそうで心配したこともありません。
2026年度の住民税決定通知書でも、控除が合っているのを確かめました。
2026年分は、10月の時点ではまだ申し込んでいません。
昨年までは楽天ふるさと納税で、今年はさとふるを使おうと考えています。
ふるさと納税と医療費控除 よくある質問
- 医療費控除を使うと、ふるさと納税の上限はどれくらい下がりますか?
-
医療費控除で住民税の所得割が減るぶん、上限も少し下がります。
税率5〜10%の人なら、10万円あたり約2,400〜2,500円が目安です。
実際の上限は、シミュレーターの詳細版で確かめてください。
- ワンストップ特例を申請したあとで、医療費控除の確定申告をしても大丈夫ですか?
-
確定申告はできますが、その年のワンストップ特例の申請は無効になります。
申請した分も含めて、すべての寄附を確定申告の寄附金控除に書いてください。
- 出産した年は、医療費控除が使えますか?
-
出産費用は対象ですが、出産育児一時金(1人50万円)は差し引きます。
差し引くのは、その出産費用の範囲までです。
残った額に家族のほかの医療費を足し、10万円を超えた分が医療費控除です。
所得(年収から経費などを引いた額)が200万円未満なら、所得の5%で考えます。
- 医療費控除の確定申告で、ふるさと納税を書き忘れたらどうなりますか?
-
ワンストップ特例は無効なので、そのままでは書き忘れた寄附の分は控除されません。
申告期限(3月15日)までなら、申告書を出し直す「訂正申告」で直せます。
期限後でも原則5年以内なら、「更正の請求」で寄附金控除を追加できます。
分からないときは、税務署に相談してください。
まとめ:医療費控除の年は上限に余裕を残し、寄附分も確定申告に書く
- 医療費控除は「医療費−戻ったお金−10万円」で、使うと上限は少し下がる
- 目安は医療費控除10万円あたり約2,400〜2,500円(所得税の税率5〜10%の人)
- 出産の年は出産育児一時金や保険の給付金を差し引くので、控除が小さくなることも多い
- 確定申告をするとワンストップ特例は無効で、申請した分も含めて寄附を書く
上限の見込みが出せたら、あとは返礼品を選ぶだけです。
▶ 次に読む1本:ワンストップ特例の期限や、切り替えの注意を確認できます。

上限の決め方や、サイトの選び方はこちらです。

家計の見直しを順番に進めたい方は、ロードマップで一つずつ確認できます。

参考資料(一次情報)
- 国税庁|No.1120 医療費控除
- 国税庁|No.1124 出産費用の具体例
- 国税庁|No.1155 ふるさと納税
- 国税庁|No.2026 確定申告を間違えたとき
- 国税庁|No.2260 所得税の税率
- 総務省|税金の控除について
- 厚生労働省|出産育児一時金について
確認日:2026年10月8日
免責事項
本記事は、個人の体験と公開情報をもとにした一般的な情報です(2026年10月時点)。
金額は目安です。
実際の金額は、シミュレーターや市区町村・税務署でご確認ください。
