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車両保険はいらない?車の価値と買い替え資金で決める4ステップ

車両保険はいらない?車の価値と買い替え資金で決める4ステップ(任意保険全体ではなく自分の車の補償の話)
こっぺぱん

自動車保険の更新案内が届くたびに、「車両保険、このままでいいのかな」と気になりませんか。調べてみると「車両保険はいらない」という記事と「外すと後悔する」という記事が両方出てきて、正直どちらを信じればいいのか迷うんですよね。

この記事では、車両保険を付けるかどうかを、車を失ったときに必要な資金と、生活防衛費を残したうえで使える現金から判断する手順を整理します。保険商品・一括見積もり・FP相談への誘導はありません。

大前提

任意保険全体を外す話ではありません。この記事で考えるのは、自分の車の損害を補償する車両保険だけです。相手への人身・物損の賠償や、自分・家族のケガに備える対人賠償・対物賠償・人身傷害などは、車両保険とは別の損失に備える補償です。それぞれを切り分けて契約内容を確認してください。

「失って困る金額」と「使える現金」の比較で決まる
  • 車両保険の要否は、車を失ったときに必要な資金生活防衛費を残して使える現金を比べて決める
  • 「付ける・限定型・付けない」は同格の選択肢。普及率や車の年数だけでは決まらない
  • 契約時に付けるかの判断と、事故後に保険を使うかの判断は別の比較として分けて考える
この記事でわかること
  • 自賠責保険・任意保険・車両保険の関係と、車両補償の普及率
  • 一般型・限定型(エコノミー型)・免責金額の違いと、事故後に保険を使うか比べる4つの金額
  • 車両保険を付けるか決める4ステップと、車両保険なしの我が家の点検例

我が家の前提

30代の共働き正社員夫婦・子どもは3歳と1歳・住宅ローンあり・車あり(ローンなしの現金購入)・生活防衛費は生活費6か月分。自動車保険は車両保険なしで契約しています。制度・統計の確認日は2026年8月8日です。車の使い方や地域、家計の状況が違えば判断も変わるため、ご自身の条件に置き換えて読んでください。

任意保険のうち、車両保険だけを分けて考える

最初に、自動車の保険の全体像を整理します。法律で加入が義務付けられているのは自賠責保険(自動車損害賠償保障法にもとづく強制保険)だけです。ただし自賠責は基本的な対人賠償に限られ、支払限度額があり、相手の車や物への賠償、自分の車の損害は補償しません。

任意保険は、この足りない部分に備えるために、対人賠償・対物賠償・人身傷害・車両保険などを組み合わせて契約する保険です。加入は文字どおり任意ですが、それぞれ別の損失に備える補償です。この記事で検討するのは、そのうち自分の車の損害を補償する車両保険だけで、対人・対物・人身傷害をやめるかどうかの話ではありません。

どれくらいの車に車両保険が付いているかというと、2025年3月末時点で、損害保険会社の車両保険普及率は47.4%です。損害保険料率算出機構が集計する対象共済の7.5%を合わせると、保有車両数に対する車両補償の普及率は54.9%になります(損害保険料率算出機構「2025年度 自動車保険の概況」)。車両補償がある車とない車に分かれていますが、この割合はどちらが正しいかを示す数字ではありません。多数派に合わせるのではなく、自分の家計の条件で判断します。

なお、保険全体(死亡・医療・自動車・火災)をまとめて見直したい方は、保険見直しの全体手順もあわせて読むと、検討する順番を整理できます。

車両保険の補償範囲|一般型・限定型・免責金額

車両保険は、車同士の衝突のほか、火災・盗難・台風・洪水・いたずら・飛び石など、契約範囲に応じて自分の車のさまざまな損害を補償します。「全損や盗難のときだけ働く保険」ではありません。まず、どの範囲を補償する契約なのかを知るところから始めます。

車両保険の3つの選択肢:補償範囲が広い一般型・範囲を絞る限定型・付けずに貯金で対応。補償範囲や名称は保険会社や契約時期で異なる

一般型と限定型(エコノミー型)の違い

車両保険には、補償範囲の広い「一般型」と、範囲を絞って保険料を抑える「限定型(エコノミー型などの名称)」があります。限定型は単独事故を対象外とする商品が多い一方、当て逃げ(相手が確認できない事故)や自転車・動物との衝突などの扱いは、保険会社や契約始期日によって異なります。名称だけで判断せず、心配な事故が補償表の対象に入っているかを約款・重要事項説明書で確認してください。

選択肢補償の考え方保険料の傾向確認ポイント
一般型車同士の事故に加え、単独事故なども含めて広く補償する設計3つの中では高くなりやすいそれでも対象外となる損害がある(次の項目参照)
限定型(エコノミー型)補償対象を絞る設計。単独事故は対象外の商品が多い一般型より抑えやすい当て逃げ等の扱いは保険会社・契約始期日で異なる
付けない自分の車の損害は現金で備える車両保険分の保険料はゼロ車を失ったときに必要な資金を出せるかの確認が前提

ポイント|「あり・なし」の間に限定型がある

車両保険は付けるか外すかの二択ではありません。単独事故は現金で受け止め、盗難や災害などに絞って保険で備えるという中間の選択肢が限定型です。この記事の判断ステップでも、3つを同格の選択肢として比べます。

一般型でも対象外になる損害がある

一般型なら何でも補償されるわけではありません。地震・噴火・これらによる津波の損害、故障、タイヤ単独の損害、故意や重大な過失による損害などは、通常の車両保険では対象外となることがあります。特約で扱いが変わる場合もあるため、対象になる事故だけでなく、主な対象外(免責事由)もあわせて確認します。

免責金額と車両保険金額

契約時に決める数字が2つあります。1つは免責金額で、事故のときに自分で負担する額です。免責金額を上げると保険料は下がります。全損時に免責金額を差し引かない商品もありますが、全商品共通ではないため約款で確認してください。

もう1つは車両保険金額で、受け取れる保険金の上限です。一般に契約時の市場販売価格相当額を基準とする範囲から設定し、自由に高くは設定できません。年数がたつほど設定できる金額は小さくなる傾向があります。新車買替特約など、例外的な扱いになる特約もあります。なお、中古車サイトの掲載価格は買い替え費用の参考にはなりますが、保険上の時価額や車両保険金額と同じ数字ではありません。

車両保険を使う前に比べる4つの金額

車両保険を付けていても、事故のときに使うかどうかは自動では決まりません。保険を使ったときの等級・保険料への影響は、事故の区分によって異なります。そのため、請求する前に「使った場合」と「使わない場合」の総額を比べます。ここは契約時の「付けるかどうか」とは別の判断です。

事故後に比べる4つの金額
  1. 修理見積額
  2. 免責金額(自己負担分)
  3. 受け取れる保険金
  4. 保険を使った場合と使わない場合の翌年以降の保険料見込み

保険料の差は等級・事故の区分・契約条件で変わるため、机上の計算では正確に出せません。保険会社に「使った場合」と「使わない場合」の両方の見積もりを出してもらい、総額で比べてから請求するか決めます。全損や盗難だけでなく、高額な修理や自然災害などでも、契約範囲に応じて車両保険が役立つ場合があります。

等級と事故の区分の概要

自動車保険には1〜20等級のノンフリート等級制度があり、保険を使うと翌年の等級が下がることがあります。ただし、保険を使えば必ず3等級下がるわけではなく、事故の区分によって扱いが分かれます

  • 3等級ダウン事故:車同士の衝突や単独事故など。一般的に事故有係数適用期間が3年加算される
  • 1等級ダウン事故:盗難・台風・洪水・飛び石など。一般的に事故有係数適用期間が1年加算される
  • ノーカウント事故:等級に影響しない事故。該当する範囲は契約で異なる

事故有係数の期間中は、同じ等級でも無事故の場合より割引率が低くなります。どの区分になるか、保険料がいくら変わるかは事故の内容と契約条件によるため、上の4つの金額の比較で確認するのが確実です。

車両保険の検討優先度が高い条件・低くなりやすい条件

「新車なら必要、古い車ならいらない」と言われることがありますが、正直、年数だけでは決められないんですよね。同じ車の価値でも、車がないと通勤や送迎が止まる家庭と、公共交通で代替できる家庭では損失の大きさが違います。判断材料は次の4点です。

  • 車両保険金額と、移動手段を戻すために必要な金額(ローン残債があれば内訳として確認)
  • 生活防衛費を残したまま使える現金
  • 車が使えない期間の通勤・送迎・代替交通費
  • 運転頻度、保管場所、洪水・雹・盗難などのリスクと補償範囲
確認項目検討優先度が高くなりやすい条件低くなりやすい条件
必要な資金買い替え費用が大きい・ローン残債が残る買い替え費用を現金で用意できる・残債がない
使える現金生活防衛費を崩さないと車の損失に対応できない生活防衛費とは別に、車に充てられるお金がある
車が使えない影響通勤・送迎が車前提で、代替手段の確保が難しい公共交通・レンタカーなどで一時的に代替できる
事故・災害リスク運転頻度が高い・水災や盗難のリスクが気になる地域や保管環境運転頻度が低く、リスクの高い環境ではない

4項目とも「高い側」に当てはまるなら車両保険(または限定型)の検討優先度は上がり、「低い側」がそろうほど付けない選択も検討しやすくなります。どちらか一方が正解という表ではなく、自分の家庭がどちら寄りかを確認するための表です。ローンが残っている場合、全損しても返済義務は自動的には消えない点に注意してください。

車両保険を付けるか決める4ステップ

前の章の4つの条件を、契約・更新のタイミングで順番に確認できる形にしたのが次の4ステップです。これは契約時に付けるかどうかの判断手順で、事故後に保険を使うかどうかは前の章の「4つの金額」で別に比較します

車両保険を付けるか決める4ステップ:保険金額と買い替え費用の確認・防衛費を残した現金の確認・代替交通とリスクの確認・3つの選択肢を同条件で比較

※図の「同条件で比べる」は、運転者条件や対人・対物など車両保険以外の条件をそろえて比較する、という意味です。

車両保険を付けるか決める4ステップ
  1. 車両保険金額・移動手段の再取得費用・ローン残債を分けて確認する
  2. 生活防衛費を残したうえで、車の損失に使える現金を確認する
  3. 車が使えない期間の通勤・送迎・代替交通と、事故・災害・盗難リスクを確認する
  4. 一般型・限定型・付けない場合を車両保険以外の条件をそろえて比較し、家計が負担できない損失だけを保険で備える

STEP1では、車を失った場合に家計が必要とする金額を、次の4つに分けて確認します。

  • 保険会社が見積もり時に提示する車両保険金額の設定範囲
  • 必要な移動手段を戻す費用(同等の車・より安い車・当面レンタカーなど、家庭ごとの設定でかまいません)
  • ローン残債がある場合は、全損後も残る返済額
  • 登録諸費用やレッカー・代車費用のうち、契約で補償されない費用

中古車サイトの価格を保険上の時価額と同一視しないことがここでの注意点です。

STEP2では、生活防衛費に手を付けずに、車の損失へ充てられる現金がいくらあるかを確認します。生活防衛費は収入減や急な生活支出に備えるお金なので、車の買い替えで使い切る前提にはしません。STEP1の金額をこの別枠の現金でまかなえるかが分かれ目です。

STEP3では、お金以外の影響を確認します。修理や買い替えの間、通勤・保育園や幼稚園の送迎をどうするか。公共交通・レンタカー・カーシェアで代替できるか、その費用は出せるか。あわせて、運転頻度や保管場所、住んでいる地域の水災・盗難リスクと契約の補償範囲も見ておきます。

STEP4では、同じ保険会社で、運転者の範囲・年齢条件・対人賠償・対物賠償など車両保険以外の条件をそろえます。そのうえで、一般型・限定型・付けない場合の保険料と補償範囲を比べ、STEP1〜3の結果と突き合わせます。基準は「家計が負担できない損失だけを保険で備える」です。負担できない損失が残るなら一般型または限定型を、現金と代替手段で受け止められるなら付けない選択を、それぞれ検討します。

我が家の場合|車両保険なしの事実を、いまの家計で点検する

ここからは我が家の実例です。といっても「車両保険なしが正解」という話ではなく、車両保険なしという現在の契約を、前の章の4ステップに当てはめて点検する一例として読んでください。

我が家の契約と家計

  • 車両保険は最初から付けていない(外した経緯があるわけではない)
  • 自動車保険は年払いで約38,000円(車両保険なし)
  • 車はローンなしの現金購入(残債ゼロ)
  • 生活防衛費は生活費6か月分。車の修理・買い替えに充てられるお金は、防衛費とは別に確保
  • 車が使えない期間の通勤・幼稚園の送迎は代替手段で対応でき、必要ならレンタカー・カーシェアも使える

※年約38,000円は、年齢条件・等級・車種・補償内容などで変わる我が家の個別例です。車両保険を付けた場合との差額や、一般的な相場を示す数字ではありません。車種・保険会社・等級は公開していません。

4ステップのうち、我が家で確認できているのは、ローン残債がないこと、防衛費とは別に車へ充てられる現金があること、代替交通を確保できることの3点です。これは、車両保険の検討優先度が低くなりやすく、付けない選択を検討しやすくする材料です。一方、必要な買い替え資金や災害・盗難リスク、一般型・限定型との保険料差は、契約更新や車の買い替え時に改めて確認します。我が家はこれらを踏まえ、現在は車両保険なしを続けています。同じ条件でも、災害や盗難のリスクをどこまで現金で受け止めるかの考え方次第で、限定型を選ぶ判断もあり得ます。

根っこにあるのは、医療保険を持たない判断と同じ「現金で受け止められる損失には保険をかけず、家計が負担できない損失だけ保険で備える」という物差しです。小さな損失を現金で備える考え方は、こちらの記事で詳しく書いています。

小さな損失は現金で備える考え方はこちら
医療保険はいらない?共働きパパが未加入を選んだ3つの理由
医療保険はいらない?共働きパパが未加入を選んだ3つの理由

この判断は一度決めたら終わりではありません。車を買い替えて必要資金が大きく変わったとき、別枠の現金が薄くなったときは、同じ4ステップで再点検する前提です。

車両保険でよくある質問

Q
車両保険を付けている人はどれくらいいますか?

2025年3月末時点で、損害保険会社の車両保険普及率は47.4%です。損害保険料率算出機構が集計する対象共済の7.5%を合わせると、保有車両数に対する車両補償の普及率は54.9%になります。車両補償がある車とない車に分かれていますが、この割合はどちらが正しいかを示す数字ではなく、自分の要否は車の価値・使える現金・代替交通などの条件で判断します。

Q
古い車なら車両保険は外していいですか?

年数だけでは決められません。車両保険金額は契約時の市場販売価格相当額を基準とする範囲から設定するのが一般的で、古い車ほど設定できる金額は小さくなる傾向がありますが、買い替えに必要な資金や使える現金は家庭ごとに違います。車両保険金額・移動手段を戻す費用・生活防衛費を残して使える現金・車が使えない期間の代替交通を順に確認してから決めてください。

Q
エコノミー型(限定型)と一般型はどちらがいいですか?

一律には決まりません。エコノミー型は補償対象を絞る代わりに保険料を抑える設計で、単独事故を対象外とする商品が多い一方、当て逃げなどの扱いは保険会社や契約始期日で異なります。名称だけで判断せず、心配な事故が補償表の対象に入っているかを約款・重要事項説明書で確認し、運転者条件や対人・対物など車両保険以外の条件をそろえて保険料を比べて選んでください。

Q
事故のとき車両保険を使うか迷ったら、どう判断すればいいですか?

修理見積額、免責金額、受け取れる保険金、保険を使った場合と使わない場合の翌年以降の保険料見込みの4つを確認します。保険料の差は等級・事故の区分・契約条件で変わるため、保険会社に両方の見積もりを出してもらい、総額で比べてから請求するかを決めてください。

Q
ローンが残っていても車両保険を外せますか?

車両保険に法律上の加入義務はありません。ただし、ローン・据置払い・リース等の契約で車両保険への加入が条件になっている場合があるため、まず契約書を確認してください。加入が任意の契約でも、全損になったからといって残りの返済が自動的に消えるわけではありません。車を失ったうえで返済だけが残ると家計への影響が大きいため、ローン残債がある間は車両保険の検討優先度が高くなりやすい条件に当てはまります。残債の額と、生活防衛費を残して使える現金を確認したうえで判断してください。

まとめ|失って困る金額と、使える現金を比べる

車両保険の要否は、普及率でも車の年数でも決まりません。車を失ったときに必要な資金(車両保険金額・移動手段を戻す費用・ローン残債)と、生活防衛費を残したうえで使える現金を比べるところからです。そのうえで、運転者条件や対人・対物など車両保険以外の条件をそろえて一般型・限定型・付けない場合を見積もり、家計が負担できない損失だけを保険で備えます。

我が家は、残債ゼロ・別枠の現金・代替交通がそろっている前提で車両保険なしを続けていますが、これは我が家の一例で、答えはそれぞれの家庭の条件で変わります。契約時の判断と、事故後に保険を使うかの判断を分けて考えることも忘れないでください。

▶次に読む1本|死亡保険・医療保険・火災保険も含めて、保険全体を固定費として見直す手順はこちらの記事で順番に進められます。

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免責事項

本記事は個人の体験と公開情報の調査に基づく一般的な情報で、特定の保険商品への加入・解約をすすめるものではありません。統計・制度は2026年8月8日時点の確認情報で、今後変更される可能性があります。補償範囲・免責金額・等級の扱いは契約ごとに異なるため、必ずご自身の契約の約款・重要事項説明書と保険会社の案内でご確認ください。保険の要否の判断はご家庭の状況で異なります。

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30代共働き2児パパ/投資歴 約8年
30代会社員の2児パパ。共働きでも「家計はママ任せ」を卒業。固定費削減→節税→投資の順で家計を整える方法を、体験と公的情報の調査ベースで発信中。
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